逆位置は意味が反対になるだけじゃない
逆位置の意味は「正位置と反対の意味になる」と思われがちですがそれは誤解です。行動ができずに停滞している様子や、躊躇する心理状態を表していると考えます。
たとえば「吊られた男」の場合は正位置だと「我慢強く忍耐力がある」という意味ですが、逆位置だと「我慢の限界がきてしまう」という意味になります。「諦めやすい怠け者」ではありません。
逆位置は意識の変化次第では正位置に変わると考えてみてください。吊られた男の逆位置が出てしまっても、さらなる努力を積み重ねれば乗り越えられると読み取るのが正解です。
もう一つ例を出してみます。「死神」の正位置が意味するものは「終わり」です。逆位置だと単純に「始まり」ではなく、「今を終わらせることで新しいスタートを切り出せる」となります。微妙なニュアンスですがポジションによっては重要なリーディング要素になることもあります。
カードによっては逆位置の読み方にコツがいるものがあります。ここでは逆位置の意味に特徴のあるカードを紹介します。
正位置の意味に対して不足 or 過剰




これらのカードが逆位置のときは正位置の意味が不足、あるいは過剰になっていることを意味しています。
- 戦車:逆 ⇒ 力不足で負ける、または力みすぎて強引に勝つ
- 剣ペイジ:逆 ⇒ 軽率な行動、または疑心暗鬼
- 聖杯9:逆 ⇒ 貧乏性、または強欲
- 杖4:逆 ⇒ 閉鎖的、または装飾過剰
時間がかかる、停滞




正位置の意味が現れるのに時間がかかってしまうことを意味しています。最後の壁を乗り越えられないでいると現状のまま停滞となります。
- 運命の輪:逆 ⇒ 成功するまでに時間がかかる
- 杖8:逆 ⇒ 物事の展開が遅い
- 剣6:逆 ⇒ スタートダッシュに出遅れる
- 金貨1:逆 ⇒ あと一歩で大金が手に入る
状況が一転して良い方向へ



状況に対する意識の変化により好転することを意味します。気持ちを切り替えていくことが大切です。
- 月:逆 ⇒ 悩みからの解放
- 聖杯4:逆 ⇒ 新しいアイデアが浮かぶ
- 聖杯5:逆 ⇒ 辛い出来事を受け入れる
ワンポイントアドバイス
逆位置の意味を肯定的に受け取る場合もあります。例えば対策のポジションに「節制:逆」が出て結果のポジションが良いカードなら、ルーズな気持ちのままでいて良いと読み取れます。
慣れないあいだは逆位置に惑わされてしまうものです。先ほども説明したように逆位置のカードは意識の変化次第で正位置の意味に変わります。リーディングが難しければ正位置の意味で解釈しても問題ありません。そこに至るまでの過程のどこかにポイントが隠されていると考えましょう。
逆位置を上手に読み解けるかどうかが初級者と中級者の境界線となります。